おんせん県の〝温泉権〟その②


おんせん県の〝温泉権〟その② 前回お話しした〝温泉権〟の中で、保健所への手続き対象となる「温泉採取権」ですが、業務の中でよくある事例をご紹介します。不動産の相続に伴い、地目が「鉱泉地」の物件が含まれている場合は気を付けなければなりません。温泉孔が存在し、「温泉採取権」が含まれる場合は、保健所への採取権変更届出が必要となります。

保健所登載の台帳にも記載がなく、温泉孔もない場合で、ただ地目変更をしていないため、登記上「鉱泉地」となっているだけならよいのですが、土地の登記申請と連動していないため、手続き漏れをしている場合がけっこうあるのです。この時は改めて遺産分割協議をやり直さなければなりません。対象となる遺産や権利について、この「温泉採取権」が含まれると認められる協議内容であれば問題ありません。しかし、不動産としてのみが対象となっており、「温泉採取権」として特定されなければ、登記が完了していても、従前の遺産分割協議書を添付しての採取権変更届出が受理されないのです。

代替掘削申請の必要がある場合やその後、温泉権付の土地として売却したい場合などで、この手続きが漏れている場合にとても困るケースが多くあります。

2025年5月2日

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